家づくりの流れや期間【工務店・ハウスメーカー・設計事務所での違い】

迷いヒヨコ

家づくりって何からスタートすれば良いんでしょうか?
そうだね、迷うところだね。ここでは確実な家づくりを実現するための王道の家づくりの流れを紹介するとしよう。

森のくまさん

家づくりの大まかな流れ

家づくりの期間は工法によってまちまちですが、だいたい6ヶ月を見ておけば殆どの住宅は工事ができます。短かければ3ヶ月と言ったこともあります。

それでは家づくりの流れを見ていきましょう。

家づくりの流れで最初にすべきこと

家づくりで最初にまずすべきことは「予算を決める事」です。これは総額でいくらまでなら出せるかを試算することです。

「現金」で全額支払える方もいるのでしょうが、一般的には「住宅ローン」を組むことが多いです。
住宅ローンは、世帯全体での収入(通常は夫婦の収入の合算)などによって借り入れ限度額が決まります。

自分がどれくらい借りられるかの限界を知ることも大切ですし、それとは別に生涯設計の中で、毎月の返済額がいくらなら返していけるかをしっかりと考えないといけません。

つまり、自分がいくらまで出せるか』『借り入れ限度額』

です。銀行に行くと借入限度額なるものを提示されますが、これを目一杯借りても良いかどうかは自己責任で判断する必要があります。

仕事の行く末や、子供たちに係る養育費、老後の資金繰りなどを勘案してどの程度借りるべきかを決める必要があります。
決して他人任せにせず、自分で納得できる住宅の総予算を決める事が重要です。

もし、予算の算出方法などに困った場合は中立な立場を貫いている専門のファイナンシャルプランナーに相談する事をお勧めします。

【住宅会社の営業】や【銀行】に相談する事もできるのですが、

「できる限り高い建物を売りたい」
「できる限りたくさん貸したい」

といった思いがある方にアドバイスを受けても、中立なアドバイスをしてもらえているか判断に迷いますし、言われるがまま契約しても責任をとってくれるわけではありません

参考 大阪の中立的なファイナンシャルプランナー長谷ファイナンシャルプランナー事務所 参考 家づくりのお金に関すること家づくり応援サイト
家を建てる土地が決まっていない場合

予算が決まったら、家づくりをする場所が決まっていない場合は先に土地探しを行います。
間取りを描いて貰おうと思っても、土地が無い状態では実際に建てられるプランでは無く、空想の物になってしまいます。
ですので、次にすべきは家を建てる土地を決める事が先決になります。

総予算の中から、土地に出す金額をおおよそ割り振ります。
場所によっては土地よりも建物の方が高い場合もありますし、逆の場合もあります。
土地の広さや、法的規制の有無、インフラの整備状況や周辺環境(学校区や近隣の状況)などを確認して自分に合った土地を探します。

土地によっては家を建てる依頼先が決まってしまっている物件『条件付き』もあります。

果たして、それで納得できるのかを慎重に判断しましょう。

参考 土地の選び方・探し方家づくり応援サイト

土地が決まってくれば、住宅ローンの事前審査などで金融機関から希望額が本当に借りれるかどうかの審査などを行う事になります。

住宅建築を依頼する会社探し

ここからは、依頼先によって流れが変わります。まずは、工務店やハウスメーカーに依頼する場合の流れを説明します。設計事務所に依頼する場合の流れは、<設計事務所に依頼する場合の流れ>です。

依頼先を探すにはまず以下をよく読んで違いを知りましょう。

参考 依頼先の違い家づくり応援サイト

また、住宅会社を選ぶ際に必ずと言っても良いほど、行くことが多いのが住宅展示場です。
しかし、こちらに行く場合も事前に以下をよく読んだ上で訪れる方が良い選択が出来るでしょう。

参考 展示場へ行く前に必要な知識家づくり応援サイト
建物のプランと概算見積もり


気になった住宅会社があったら、家のプラン作成を依頼しましょう。
この時点で、敷地に合った家のプランにするために、「敷地調査」と呼ばれる敷地の広さや勾配、接する道路の幅や長さなどの土地の現況調査を行うところが多いです。
敷地調査をして、敷地の正確な大きさや法的規制の有無などが確認できますので、実現可能な家のプランまで作成を依頼できます。


敷地調査は大手ハウスメーカーの場合、無料で作成してくれるところも多いですが有料の場合もありますので、営業の方に確認してください。(表面上は無料でも、実際には建物の見積もりにその分の料金は入っています。世の中にボランティアで仕事をする人は居ませんので、注意して下さい。)

いくつかの住宅会社で迷っていて、価格で比較をしたい場合は、この段階でのプランは極力同じような大きさ間取りで見積もりしてもらう事をお勧めします。

広さも仕様も違うと、総予算も当然違ってきますので、簡単に比較ができなくなってしまうからです。

この段階での概算見積もりが、あなたの予算に合わなければ依頼先として相応しくないと言えるでしょう。

依頼先の仮決定(設計申込)

納得して家づくりを依頼出来そうな、住宅会社が見つかれば今度は本格的なプランの打合せをするために「設計申込」を 行います。
(仮契約などと言う場合もありますが、法律上は”仮”の契約というものは存在せず、契約扱いになります。申込みとは意味合いが異なりますので、慎重にどんな内容なのかを確認すべきです。)

ここからは、実際に費用が掛かる事がほとんどです。
10万円程度~ と、言う事が多いようです。
※この段階になると、土地を購入していない場合でも、あなたが本当に銀行からローンが借りれるかどうかの『事前審査』と 呼ばれるものに申し込む事になります。

しかし、まだ実際に契約を交わした訳ではありませんので、この時点で『やはり合わないな』等と言うことがあれば支払い金額は設計の実働費と考えて、 解約する事も選択肢として持っておくことが大切です。

地盤調査

最終的な見積もりを出すためには、地盤調査が必要になります。まだの場合はここで行うことになります。
土地が家を支えるだけの強さを持っているかどうかを調べるための調査なのですが、ここで補強が必要である事がわかったりすると、その費用として100万円前後掛かることもあります。
土地から探されている方は、ここで余分な費用が掛からないように 極力良い地盤の土地を探すようにすると良いでしょう。

参考 地盤調査の方法や費用家づくり応援サイト
プランの詳細打合せ

主には間取りや住宅設備(キッチン、トイレ、お風呂)をどれにするかや、電気スイッチ、コンセントの配置、 など見た目に分かるところの打合せになります。
しかし、これだけに終始せず気になるところはドンドンと質問して納得のいくまで打合せしましょう。
(大手ハウスメーカーなどは打合せ期間に制限を設けているところがほとんどで急かされますが、 納得がいく事が重要です。)

参考 プランの打ち合わせで知っておくべきこと家づくり応援サイト
仕様の決定と最終見積もり

最近では、建築に関する法律が厳しくなったため工事中での仕様の変更をすんなり応じてくれるケースが少なくなっています。
ですので、この段階で自分が本当に納得したかどうかをもう一度確認してみてください。
そして、間取りや仕様が決定したら最終的な見積もりです。
この段階で当初のあなたの中で決めた予算をオーバーしていないか確認してください。
いくらローンが借りられると言っても、無理をして借りたのでは元も子もありません。
無理の無い返済計画が実現できるように、計画の見直しや適度な値段交渉も必要でしょう。

本契約(請負契約)と住宅ローンの本申込み

最終的な契約です。注文住宅の場合、『請負契約』と言う契約を結びます。
基本的には契約は両者が合意して成立つものになります。契約の約款内容などもよく読んで吟味し、 ここでも納得のいく内容であることを確認しましょう。
少しでも、疑問点があれば別の専門家に聞くことも良いですし、契約内容の変更を依頼しても良いです。

参考 契約内容の確認家づくり応援サイト

この段階で、住宅ローンの本申込となります。先の請負契約書の写しを提出する必要があります。
打合せで決まった、設計図書などと共に借り入れに掛かるある程度まとまった費用が必要になります。

  • 手数料:数万円
  • 保証料:借入額に対して0.1%程度、あなたの保証人をしてくれる保証会社に支払います。
  • 火災保険料:建てる家が木造かどうか、耐火基準を満たしているか、家の規模等で金額が変わります。
    一般的には30万円程度掛かります。
  • 生命保険料:団体信用生命保険が有名です。返済能力のある借り手が亡くなった場合の残された家族が支払う為の保険です。
建築確認申請・解体工事

計画した内容の通り、家を建てて良いかどうかを通常は第三者の審査機関に届け出ます。
ここで、『建築確認済み証』と言う証書が発行されれば、家を建てる事を公に認められたことになります。
地域や建てる工法によってまちまちですが、審査機関は1週間程度から3週間程度まで掛かります。
ここで発行された『建築確認済み証』は大切な書類です。引渡しが終わった後に必ず住宅会社から貰うようにしましょう。
(言わないとこれらの書類を出さないところもありますので、注意しましょう。)

また、建築予定の土地に既存の建物が存在する場合は解体工事を行います。
建設リサイクル法と言う法律が制定されてから、解体した資材などの処分方法の記録を残さなくてはならなくなりました。
解体業者がこれらの記録を残してくれることになりますが、 もしこれに違反した場合は解体を依頼した発注者(多くの場合はあなた自身)が、罰則を受ける事になっています。
これらの記録をきちんと残している、優良な業者であることを確認の上、解体を依頼することが大切です。

地鎮祭・着工

地鎮祭は工事の安全を祈願して行う、昔からの習慣です。
近年では、地鎮祭を行わない方も多くなってきています。(地鎮祭は神主さんに支払う費用が必要です。)

参考 地鎮祭とは?服装や必要な費用/挨拶やのし袋のマナー・所要時間家づくり応援サイト

この儀式が終わると、いよいよ工事の着工となります。
最初は地盤改良・基礎工事からです、家を支える重要な箇所となります。
この部分がしっかりと施工が出来ているかどうかが大切なポイントです。

上棟

いよいよ、家の骨格が出来上がっていく段階です。場合によっては上棟の日に上棟式を行う場合もあります。
最近では、大工さんの労をねぎらう意味で上棟式を行う場合もありますが、行わないケースも増えています。
この骨組みがきちんと組みあがれば、家の地震などに対する強さは8割程度完成したようなものです。

参考 上棟式の流れや祝儀、弁当、挨拶、お酒など準備物。上棟式をしない場合家づくり応援サイト
完成

上棟から完成までの期間は、工法によって大きく変わります。一般的な木造住宅では10坪で大体1月程度と言われています。
最終的に家が完成し、引渡しを受けるまでの間にその出来具合をチェックすると良いでしょう。
この段階では、まだ最終的な金額を払っていない段階ですので、割とスムーズに手直しなどが行われます。

引渡し・ローン実行・登記

いよいよ、鍵を受け取る事で引渡しとなります。
家があなたのものになる瞬間です。
一般的に工事期間中は、『つなぎ融資』と呼ばれる少し金利の高い融資で工事代金を支払っています。
これは家が完成するまでの間、担保物件が無いため『住宅ローン』として融資を受けられないからです。
ですので、引渡しを受ければなるべく早く登記を済ませて、名義上もあなたのものになる手続きをし、 『住宅ローン』を実行して『つなぎ融資』を清算すると良いでしょう。

迷いヒヨコ

かなり色々なことがあるんですね。こりゃ大変だ・・・
最初は面食らうだろうけど、実際には工事が始まってしまえば、割とすぐに感じる人が多いんだ。時間を割くべきは、依頼先探しとプラン打ち合わせと言えるね。

森のくまさん

設計事務所に依頼する場合の流れ

迷いヒヨコ

設計事務所の場合は流れが違うんですね。
そうだね、設計する人と工事をする企業が別になるので、その分流れが多くなるけど、その分プラン打ち合わせはもっと充実したものになるんだ。

森のくまさん

設計事務所_step1
依頼する設計事務所の決定と設計契約

設計事務所に依頼する場合は、先に依頼する設計事務所を決めて設計契約をします。
設計事務所は過去の設計事例を見ると、どんなテイストの建物を手掛けているのかが分かりやすく、自分の好みに合うかどうかの判断がつきやすいです。

話を聞いてみて、ここだと思った場合は【設計契約】をすることになります。
この契約には2種類あります。

  • 基本設計契約:間取りや立面図などの基本的な設計を依頼するための契約です。
  • 実施設計契約:実際に役所に確認申請用の図面を作って、工事を可能にするための図面を作成する契約です。

※ 設計事務所によっては、基本設計だけでは依頼を受け付けていないところもあります。

設計事務所_step2
詳細プラン打ち合わせと仕様決定・最終見積

打ち合わせスタイルは様々ですが、詳細なプラン打ち合わせが行われます。
あなたが事前に見た設計スタイルのプランが出来上がってくることでしょう。

仕様を打ち合わせて、予算に合うように見積もりします。この際に地盤調査も行います。
施工する工務店は、一般的には設計事務所が懇意にしている工務店に依頼する場合が多いです。

ここで、自分の予算と見積もりがあってくれば、今度は施工する工務店との請負契約に進みます。
これ以降は、工務店・ハウスメーカーと同様に step9以降の流れとなります。

迷いヒヨコ

なるほど、設計事務所の場合は設計契約というものがあるのですね。

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