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工務店との家づくり
家を建てようと思うと、まずは展示場に行くという方が多くなっていますので、みなさんの印象としては、ハウスメーカーがそのほとんどを建てているのではないかと思っているのではないでしょか?
では、、、ハウスメーカーが施工する割合はどれくらいなのでしょう。
今回のお話しのメインは工務店ですので、あっさりと答えをお伝えしますが、現在では30%半ばまでシェアを伸ばしてきています。
ほとんどの家をハウスメーカーが建てていると思っていた方にとっては、約1/3は少ないと思われるかもしれません。しかし、まだハウスメーカーを選ばれる方は少数派ということになります。
では、多くの方はどこで建てているかというと、中小の工務店に依頼しているのです。

年間100棟未満の地元中心に販売する工務店が約40%、地域を拡げ年間100棟以上1000棟未満の中規模工務店が約25%となっています。
ハウスメーカーに比べると、知名度も低く宣伝広告にお金をかけていない工務店がこんなにも多くの家を建てている理由としては、以下の3つが挙げられます。
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1、工務店の数がとても多い
2、価格の妥当性に納得される方が多い
3、細かな要望に対応してもらえる柔軟性を求める方が多い
いまだ多くの方が、工務店と家づくりを行っています。
あなたもぜひ工務店を選択肢に入れてみませんか?
ここからは、工務店との家づくりを具体的に見ていくことにしましょう。
工務店の特長
工務店の家づくりの長所と短所を見てみましょう。
◆ 工務店の長所
☆ 妥当な金額
既製品を買う時に値段の中身をあまり気にしたことがないと思いますが、注文住宅は完全なオーダーメードですので、あなたが選ぶ者によっては、材料の値段からその工事をする職人さんの手間賃も変わってきます。
工務店の場合は、あなたの要望される商品をストックしている訳ではなく、あなたが選ぶ商品の見積もりを取り、すべての部材の金額や設計費、現場管理費、経費などを足し合わせて総額としています。
そのため、とても分かりやすい値段の表示となっています。
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また、テレビCMや新聞の広告などといった大々的な宣伝や、モデルハウスといった集客のために使う経費を極力抑えるようにしています。
ハウスメーカーの坪単価比較 ハウスメーカーの家の驚きの内訳はこちらでご確認ください。
経費を抑えている分、あなたが支払うお金のほとんどは、家の材料費や施工費などに使われることになり、ハウスメーカーと比較すると、平均坪単価では20万円近くも違ってくる結果となっているのです。
☆ 間取りや仕様の自由度
工務店で家を建てるときに制限がかかるものは、建築基準法などといった法律や指針などになってきます。
これらは、その家に住むご家族の安全や資産を守るために決められたものですので、日本で家を建てるには必ず守らなければいけません。
これら法律や指針も数年ごとの改正によって、家に求められる耐震性能や防火性能などが上がっています。法律が厳しくなることによって、できることに制限が出てしまいますので、数十年前に比べると選択の自由度は小さくなっています。
といっても、法律などが厳しくなるに従って、建材もグレードアップしてきていますので、コストの面を考えなければ、あなたが家に望むことは大抵できるでしょう。
しかし、ハウスメーカーで検討されたことのある方はご存じだと思いますが、社内ルールを設けてできることを制限しています。
最近パナホームが「壁を15cmずつ動かすことができる」ことを謳い文句にしていますが、それが売りになるほど、社内ルールが厳しく設定されているのです。なので、ハウスメーカーとお客様の間でよく聞かれるのが、『これは出来ますか?』『ちょっと難しいですね~』といった会話なのです。
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☆ 地域密着、親身の対応
工務店のほとんどは、地域を限定して家を建てています。工務店の事務所から1~1時間半圏内が一般的です。その理由は、なにかあったときに、すぐに対応できるようにといった配慮からです。
また、小規模の工務店では、社長が窓口になっているところがあります。じつは、これは家を建てる方にとって、大きなメリットの一つなのです。
なぜか・・・
あなたのことを良く知る担当者が会社としての判断もできる社長だったら、あなたのことを思って難しいことも対応してもらえたり、どちらに非があるか曖昧な不具合が生じても、親身に対応してもらえる場合があります。
これが、会社に勤める営業マンだったら、営業マンがいくら丁寧な対応をしたいと思っても会社のルールを無視することや損失に繋がるような判断は出来ないため、しっかり話をすればするほど、関係がこじれる原因になったりします。
◆ 工務店の短所
△ 良い工務店を選ぶのが難しい
あなたの家の近所にある工務店だけでも、調べてみるととても多くの会社が見つかるでしょう。
その数は、全国で8万社とも言われています。
ただ、景気の悪化や世帯数の減少などの要因によって、新築が建てられる数がどんどん減ってきていますので、評判の良くない工務店は淘汰されその数は、今後減ってくるのは間違いないでしょう。
その過渡期である今、家の建築を依頼する工務店の選択はとても重要になってきます。
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家を建ててもらっている間に工務店が倒産した場合の完成保証といったサービスも出てきてはいますが、追加の費用負担や精神的な負担もありますので、地域の評判や経営状態、お引き渡しした物件との関係などから良い工務店を探して下さい。
△ すべてお任せはむずかしい
工務店の中には、ハウスメーカーのように土地探しから入居後のアフターフォローまですべてを先導して行ってくれるところもありますが、そんなところばかりではありません。
工務店の本来の仕事(家を建てること)以外の住宅ローン手続きや住宅の表示登記、各種保険の手続きなどはご家族でしなければいけないことが多いです。
ただ、紹介を受けることは可能ですので、どのタイミングでどんなことをしないといけないのかや専門機関の依頼先が分からない場合は、工務店にご相談されると良いでしょう。

工務店で家を建てる流れ
工務店との家づくりを進めようと思った場合、どのように進められるのか見てみましょう。
1、工務店の開催する見学会やモデルルームへ参加
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工務店との家づくりを検討しようと思うと、まずは、どんな家を建てているのかを知ることから始まります。その工務店の特長や、どんなところに力を入れているのかを確認しましょう。
ハウスメーカーは、基本的な性能に差はあるものの、大きく違うことはありません。
それが、工務店となると、千差万別。
出来上がる建物の性能やデザインにも大きな差があります。
フランチャイズに加盟している工務店もあれば、コストを抑えた家づくりに力を入れている工務店、建築家と連携してデザインに力を入れている工務店など様々です。
地元密着といっても、規模を限定しなければとても多くの工務店が選択肢に入ってくるでしょう。
その中で、もっともご家族にあった工務店を見つけることが出発点となります。
当サイトの運営者がお勧めする家づくりの『住宅CMサービス』でも、
工務店の施工現場や完成現場の見学会を定期的に開催しています。
ぜひこちらのページからチェックしてみてください。
2、図面と見積もりを提出してもらう
ある程度フィーリングがあう工務店があれば、次は図面作成と見積もり作成に進んでいきます。
図面の提案力の有無は重要かもしれませんが、ここで確認してもらいたいのは、『見積もりの内容』。
せっかく工務店で家を建てるのであれば、ハウスメーカーのように、価格に合わせたグレードの中から色や柄を選んでいくだけの施工者主導の家づくりではなく、家への想いを形にするために、材料一つ一つを選んでいける工務店との家づくりをご家族主導で楽しんで頂きたいと思います。
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そのため、数社の見積もりを比較して、どこの工務店が妥当な金額を出しているのかをしっかりと確認するようにしましょう。
工務店でも、ハウスメーカーと同様に、値引きを要求されることを考えて、あえて利益を多く見積もる『ふかし見積もり』を提出するところがあります。値引きを要求されたら、本来必要な利益率を犠牲にすることなく、値引きすることができるため、そのようなふかし見積もりを出すんですね。
ただ、数社から詳細な見積もりを取ると材料一つ一つの金額が他の工務店よりも高くなっているので、すぐに見破ることができます。はじめから真面目な金額を出してくる工務店の方が誠実だと思いますし、高いお金を使って行う家づくりですので、相手との騙し合いの関係よりも信頼できる関係で進めたいと思うのは当然のことではないでしょうか?
3、工務店の決定
いくつかの工務店を比較検討したら、次は工務店を絞っていきます。
すでに家を建てられた方にお話しを聞くと、話を進めていくうちに1つ消え、また1つ消えといった具合に、自然と工務店が絞られてくるようです。
ご家族の予算的に合わなかったり、どうしてもこだわりたい部分の実現が難しそうだったり、他の工務店の熱心さに比べると対応に差が感じられたり・・・
減っていく理由は人それぞれのようですが、何度も打合せを繰り返すことによってその工務店の本質が見えてくるのでしょう。
そして、工務店を1社に絞ったら、次は敷地調査や地盤調査などの敷地の現況を詳しく調査してもらい、間取りを固めていきます。
続いて具体的な建物の仕様や設備を選ぶといった流れが一般的です。
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工務店を決定したら、まずは、建築確認申請に必要な項目を中心に家の打合せを進めていきます。
行政機関の確認(建築確認申請)までに決めるべき項目
- 間取り
- 構造(構造材の種類や工法、構造材の配置、建物の高さ)
- 屋根の形
- 外壁の仕上げ方法、メーカー品であれば品番まで(色は後でも変更可)
- 屋根材の種類、メーカー品であれば品番まで(色は後からでも変更可)
- 断熱材の種類、厚み
- 24時間換気システムの種類
など
なぜ建築確認申請に必要な項目を先に打ち合わせるのかですが、建築確認申請には、工務店が申請書類を作成する時間も含めると1か月から1.5カ月ほど時間がかかる場合があります。
(この申請期間は地域によって大きく変わります)
そのため、引き渡しまで時間がない場合には、このように進めていくとスムーズに打合せを進めることができます。
なお、建築確認申請を提出した後は、原則として変更は認められません。
小さな変更であれば『軽微な変更』として追加で受理してくれる場合もありますが、軽微な変更とは認められない建物の大きさが変わるなどの変更が生じた場合には、申請の再提出が必要となりますので、また同じくらいの期間と申請費用がかかってきます。
そのため、焦らずに、慎重に進めたいところです。
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ここまで来ると、工事請負契約を結べる段階だと思いますが、もう少し慎重に進めるために、以下の項目についてもしっかりと確認してください。
大きな金額が変わる部分はこの段階で確認しておきましょう
大きな金額が変わる設備機器(キッチンやユニットバスなど)もこの段階である程度絞っておくといいでしょう。気になる商品がある場合には、見積もりを出してもらって、どれくらい金額が変わるのかを確認しておくといいかと思います。
外構などにかかる費用も確認しておきましょう
外構工事とは、門扉や玄関までのアプローチ、駐車場や庭など、敷地を綺麗にするための工事です。
家づくりと併せて工務店に依頼し引き渡しまでに外構工事を行う方も多いのですが、外構は別の業者さんを入れることも可能です。
敷地の大きさやどのような外構を作りたいのかによっても金額大きく変わりますが、概算でも構わないので、要望に応じた外構にどれくらいの費用がかかるのかを家にかかる費用と併せて確認しておきましょう。
一般的には、外構にかかる工事費は、住宅ローンに含めることはできませんので、お手持ちのお金で支払わなければなりません。
予算に余裕がない場合には、お父さんがDIYで外構をするといった方もいらっしゃいます。
まずは、予算がどれくらいかかるものなのかを把握する意味でも、事前に確認するといいでしょう。
4、建築工事請負契約の締結
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プラン(間取り)や外観、見積もり内容などに納得でき、この工務店に家づくりを任せよう!と思った段階で建築工事請負契約を結ぶことになります。
この『契約』は、契約書に添付される図面や仕様書に従って、見積もりされた金額で工事を請け負うことを約束するためのものですので、当然、図面(平面図、立面図、断面図など)や仕様書、見積書などが添付されます。
建築工事請負契約では、契約内容を細かく示した文書(約款)が添付されています。
契約段階では、今後工務店とトラブルになることはないと思っているのですが、工事が始まっていくと「こうしてほしい」と伝えていた内容が正しく現場に伝わっていなかったり、あなたと工務店との間の意思疎通が十分にできていなかったりといったトラブルが生じる可能性もあり、そんなトラブルの解決方法などについても記載されています。
お金の支払い方法などについても契約書の中に書かれていますので、あなたにとって不利な文章になっていないか、十分に確認するようにして下さい。
この契約書のひな型はいろんな団体から公開されていますが、どんな内容にするのかは自由です。
工務店が準備するのが一般的ですが、あなたがもし法律などに詳しいのであれば、ご自身で契約書を作ることも可能です。
なお、契約後に変更が出た場合には、追加変更契約などを結ぶことで修正することは可能です。
5、工事着工
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工事が始まってからの流れは、こちらのページにてご確認ください。
工事の流れとチェックポイント どのタイミングでどんな工事をするのか、そのチェックポイントを分かりやすく紹介
なお、工事の期間ですが、在来工法40坪の家の場合、基礎が着工してから5カ月ほどで完成するのが一般的です。
6、引き渡し
引き渡しの前には、工務店側でも不具合や傷などがないかを確認されるのですが、ご自身でも確認をするようにして下さい。
もし気になるところがあれば、最終金を支払い引き渡しを受ける前に対処してもらうようにしましょう。

更新日時 : 2011年7月22日