◆ 大手ハウスメーカー18社のQ値、C値ランキング
【ランキング TOP20】
順位 ハウスメーカー Q値(W/㎡・K)
熱損出係数C値(cm2/㎡)
隙間相当面積気密測定の
有無PR 棟晶 株式会社
パッシブハウス体験動画0.35 0.17 ◎ 第1位 一条工務店
(i-cube)0.76 0.59 ◎ 第2位 一条工務店
(夢の家)1.16(ⅢⅣⅤ地域)
1.13(Ⅱ地域)0.71 ◎ 第3位 スウェーデンハウス 1.14 0.73 ◎ 第4位 東急ホームズ
(ミルクリーク)1.3 2.0 - 第5位 ミサワホーム
(120パネル仕様)1.41(Ⅳ・Ⅴ地域)
1.37(Ⅱ・Ⅲ地域)5.0(ⅢⅣⅤ地域)
2.0(Ⅱ地域)- 第6位 三井ホーム
(プレミアムエコ仕様)1.42 - - 第7位 グランツーユー 1.6以下
1.2
(AT:北海道仕様)0.99以下 ◎ 第8位 三菱地所ホーム
(長期優良住宅
先導的モデル)積水ハウス
(プレミアム仕様)1.6 - - 第10位 ミサワホーム
(標準仕様)1.80(ⅣⅤ地域)
1.53(Ⅱ地域)
1.76(Ⅲ地域)5.0(ⅢⅣⅤ地域)
2.0(Ⅱ地域)- 第11位 トヨタホーム
(シンセシリーズ)1.86 - - 第12位 積水ハウス
(ハイグレード仕様)1.9 - - 第13位 住友林業
(マルチバランス構法)1.92(ⅣⅤ地域)
1.82(Ⅲ地域)
1.74(Ⅱ地域)
1.58(Ⅰ地域)5.0(ⅢⅣⅤ地域)
2.0(ⅠⅡ地域)- 第14位 三井ホーム
(標準仕様)1.98 - - 第15位 セキスイハイム
(鉄骨)2.1 2.0 - 第16位 ダイワハウス 2.23(Ⅳ地域)
2.11(Ⅲ地域)- - 第17位 住友不動産 2.33 - - 第18位 積水ハウス
(標準仕様)2.4 - - 第19位 エスバイエル 2.68(ⅣⅤ地域)
2.34(Ⅲ地域)
1.9(Ⅱ地域)3.7(ⅢⅣⅤ) - 第20位 旭化成へーベルハウス
パナホーム
東日本ハウス
タマホーム2.7(ⅣⅤ地域)
次世代省エネ基準- - このランキングに「1票!」と思われた方は クリックお願いします→
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<免責事項>
*2011年4月のハウスメーカーHPの記載数値を参照(代表的な商品)しており、実際とは異なる可能性があります。
*あくまでハウスメーカーの標準仕様を記載していますので、オプション対応で数値が変わる可能性があります。
*C値の違いによる熱損出を換気回数0.5回と仮定、記載が無い場合、5.0程度と仮定して簡易計算をしています。
*Q値は間取りや使用する材料によって、C値は施工精度によって変わります。
*この他にも熱橋や結露などこれらの数値には表れない細かい検討すべき事項や、
計算に用いるプログラムにより結果が異なる場合もあります。
*記載内容に誤りがございましたら、ご連絡ください。
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大手住宅メーカーの断熱性能をC値とQ値という共通で使われる指標で比較しました。
このページは、ハウスメーカーが公表している住宅の断熱性・気密性指標
(Q値、C値)を比較することにより作成しています。
この比較により、
- どのハウスメーカーが断熱性能が良い住宅を建てているのか?
- どのハウスメーカーが「省エネ」になる住宅を建てているのか?
- どのハウスメーカーが「省CO2」になる住宅を建てているのか?
の一つの指標としてみることができます。
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ただし、注意が必要なのは、間取りによって熱損失係数(Q値)は変わるということです。
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本来は、
「自立循環型住宅モデルプラン」という改正省エネ法に使われる基準プランがあるのですが、
それに則って計算した数値を公表するのが本当だとは思うのですが、
見た目の数値のインパクトを狙ってか、より良い数字となるように
各社各様のモデルプランで計算しています。
三井ホームが真面目に公表しているのですが、
モデルプラン Q=1.98w/m2・K
基準プラン Q=2.49W/m2・K
というように、実際の家よりも熱の逃げる割合の大きい窓を小さくしたモデルなどで
計算していることが一般的です。
ハウスメーカーの比較としては、上のランキングは参考にして頂けると思いますが、
数値をそのまま信じるのではなく、
気になる方は、ご自身の間取りや仕様でQ値を計算してもらうといいでしょう。
近く私の方でも各社のQ値を基準プランで再計算をしてみようと思っていますが・・・
◆ ところで、C値、Q値ってなに?
◇ Q値(W/㎡・K)・・・熱損出係数
室内と外との温度差が1度ある時、家全体から逃げる熱量(ワット)を床面積(平方メートル)で割った数値。
値が小さいほど暖房した熱や冷房した冷気を外に逃がしにくくなるので、
省エネで快適な家(住宅の断熱性能が高い)になる!ということです。
家の中の温度差をなくしてヒートショックを防ぎたい!という方や、<スポンサードリンク>
冬の寒さからくる足腰の痛みをどうにかしたい・・・といった方は、
Q値の高い家の方が、暖冷房にかかる費用を抑えることができますので、
月の出費を抑えて快適な生活が送れます。
では、どの程度光熱費が違うのか・・・
それもQ値を比較することで簡単に計算することができます。
厳密にいうと少し違いますが、Q値と暖冷房にかかるエネルギーは比例します。
たとえば、次世代省エネ基準を100とすると、1.13の一条工務店は、約42となります。
どういう計算をしたかというと、
2.7 : 1.13 = 100 : ?
という算数です。
これに電気の単価を入れると、光熱費の比較にもなります。
100kWの電気代は、2,400円。(24円/kWとすると)
それが、42kWに下がるので、電気代が約1,000円になるということです。
つまり、Q値が小さい住宅ほど、
「冷暖房の高熱費が安くなる」
「必要なエネルギーが小さくなるので冷暖房機器が少なくてすみ、イニシャルコストが下がる」
「家の中の温度差が小さくなる」
などのメリットがあるのです。Q値を上げるための設計手法
◇ C値(?/㎡)・・・隙間相当面積
施工の結果、建物にどれだけの隙間があるかを表し、気密性能を示す指標。
C値が小さいほど、住宅の隙間が少ないので、隙間からの熱の出入りが少なく、
断熱性能の高い家になる!
隙間の無い家なんて・・・といった方も多いと思います。
ただ、今の家の場合、計画されていない隙間は、壁の中で結露が生じる原因になることもあり
かえって家を悪くすることも考えられます。
隙間風が吹き抜ける中で暖房して生活することを納得できればいいのですが、
そういった方も少ないと思います。
気密住宅は、窓を開けたらいけない!という訳ではありません。
窓から入る風を上手に活かした間取りなども併せて考えれば、さらに省エネで快適な生活が
できることでしょう。気密をマスターしたい方は、
こちらのページもぜひご覧ください。気密をマスターしよう!
◆ 断熱性能の比較は、営業の方の話ではなく、C値やQ値で!
ハウスメーカーが建てている住宅の断熱性能を比較するときに必要な判断材料は、
「住宅営業の話」でもなければ、「住宅展示場や体験館等においてある比較サンプル」でなく、
住宅の断熱性能にかかわる指標(C値、Q値)の方が確実です。
各メーカーは、
「弊社のガラスはLOW-Eガラスで、他のハウスメーカーと比較すると、住宅の断熱性能が上です!」
「弊社の外壁はグラスウールが何ミリで、他のハウスメーカーの家と比較すると住宅の断熱性能が・」
「弊社の床断熱材はウレタンを使用しており、他のハウスメーカー家と比較すると住宅の断熱・・」
というようなハウスメーカーの自社アピールがなされていますが、
住宅の断熱性能をきっちりとした数値(Q値,C値)で表すことが出来ます。
ハウスメーカーの比較検討の際には
それをそのまま利用すれば、より簡単な住宅の断熱性能の比較ができます。
自社商品に洗脳された営業の話より、はるかに客観的で、
公平な住宅の断熱性能の評価をすることができます。
高気密・高断熱住宅がもたらす恩恵は→こちら←
◆ セールストークに惑わされないで!
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間違っても、次に挙げるようなハウスメーカー営業マンのセールストークには惑わされることなく、
どのハウスメーカーが一番断熱性能の良い住宅を建てているかをご自身で見極めてください。
================== ハウスメーカー営業の「?」な売り込み! ==================
◇ 「弊社の住宅は、断熱性能の高いALCパネルを用いていますので・・・・」
ALCパネル(へーベル板)は、断熱材ではありません。
確かに、鉄やコンクリートに比べると熱を伝えにくく、
サイディングやモルタル等の外壁と比較すると、断熱性が若干良い住宅を建てれる特徴は
あります。
しかし、ALCは一般的な住宅の断熱材(グラスウールやロックウール)と
比較すると約10倍ほど熱を伝えやすい材料ですので、断熱材ではないのです。
また、このような局部的な話に目を向けるだけではなく、あくまで住宅の断熱性能を表す数値
(C値、Q値)でも比較してみましょう。
◇ 「木は鉄やコンクリートよりも断熱性能が高いので、暖かい住宅を作りやすい・・・」
これも局部的な話です。確かに、鉄やコンクリートに比べると、木材は熱を伝えにくく、
断熱性能の高い住宅を作りやすいのですが、木材そのものは断熱材とはなりません。
住宅の断熱性能は、床・壁・天井等に使用される断熱材や、窓の断熱性能、住宅の隙間等に
左右されます。
ALCパネル同様、局部的な性能だけではなく、住宅全体の断熱性能を表す数値<スポンサードリンク>
(C値、Q値)で比較した方が簡単です。
◇ 「ツーバイフォー工法は他の工法よりも気密性が高いので、住宅の断熱性が高い!」
これはもっともな主張ですが、あくまでそう言う傾向であると言う話。
工法がどうこうよりは、C値という気密性を現す数値でみた方が確実です。
尚、C値は計算でものではなく、あくまで、
施工の良し悪しで決まりますので、測定してみなければ分かりません。
C値が小さい方が、住宅の断熱性能が高いことは確かですが、ランキング表にもある通り、
ツーバイフォー工法を採用しているハウスメーカーが、必ずしもC値が小さいというわけでは
ありません。
◇ 「コンクリートは気密性能がいいので、住宅の断熱性能が高い。」
間違いではありませんが、住宅全体の気密性能(C値)で比較すればいいのです。
また、間違ってもコンクリートは断熱材ではありませんので、誤解しないようにしてください。
因みに、マンションが暖かいのは、外部に面する外壁が少ないことが理由なので、
「コンクリートを採用している」≒「住宅が断熱性が高い」いうことではありません。<スポンサードリンク>
◇ 「弊社は外断熱工法でして、内断熱工法(充填)よりも住宅の断熱性能が高く、結露しにくい。」
これも現状わかってきた事実とは違います。住宅の断熱性能を見る上で、外断熱も内断熱も全く関係ありません。
また、内断熱工法で内部結露が生じ易いというのは、材料の構成や施工が悪いからです。
住宅全体の断熱性能を表す数値は、Q値とC値の方が簡単。それを用いてどのハウスメーカーが
住宅の断熱性能が高いかを判断すればいいと思います。
◇「熱交換型の換気システムを導入していますので、住宅の断熱性能が高い・・・・」
これは住宅の断熱性能を示すものではなく、あくまで設備の話。
自社で開発した特殊な設備でも無い限り、
三菱電機やダイキン工業、パナソニック電工、マックス等の設備販売業者から購入するものですので、
極端な話、同じような機器を導入すれば良いわけです。(ただし、仕入れ値は違いますが。)
◇「ウレタンフォーム等の高性能な断熱材を使用していますので、
グラスウール等を使用しているハウスメーカーと比較すると暖かい住宅になる」
間違ってはいませんが、「厚み」という指標が抜けています。
断熱材単体の性能は断熱材の熱の伝わりやすさと、その「厚み」で決まります。
いくら性能が良くても、薄いものでは暖かい住宅にはなりません。
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暖かい住宅の断熱性能を現す数値(C値、Q値)でハウスメーカーを比較する方がいいでしょう。
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いかがでしたでしょうか?
一つくらいは、ハウスメーカーの営業に言われた経験があったのではないでしょうか?
正直に言いますと、「営業」の方はその人個人の力量に結構な差があります。
「専門知識が有る人、く無い人」、
「会社に洗脳されて、それを信じ切っている人」、
「敢えて技術的な話に持っていかない人」
など、様々です。
さらに、営業の人は話がうまいので、お客さんは営業さんの話を信用してしまいがちです。
それに比べて、私を含む「技術者」は話が下手な人が多く、話すことも専門的になりがち。
真実を伝えるには技術的な話が必要なのですが、でも、技術的な話は聞く側もうんざりします。
結果、正論を言っているような技術的な話よりも、簡単に説明してくれる営業の人の言っていることの方が、
正しいと思い込んでしまって、正しいことが伝わらないという悪循環が起こります。
ここで、紹介した暖かい家であることを示す二つの指標はそんなに難しい話ではありません。
「C値」と「Q値」
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何れも、数字が小さい方が良い!
断熱性能の高い住宅を作っているという証拠!
これさえ分かれば、おおまかなハウスメーカーの建てる住宅の断熱性能の比較ができます。
「数値だけの単純比較なんてできない」と反論される方もいると思いますが、消費者の方には単純明快でしょう。
住宅の断熱性能を比較するには必要な数値ですので、最大限活用して、判断材料の一つとしてください。
C値を確認してみませんか?
本当にカタログ通りの性能があるのかどうか、
実際に現場で測定してみなくてはわかりません!!
一般の方からのご依頼をお待ちしております。
最終更新日:2011年5月12日