最近エアコンにはいろんな便利な機能が付いています。
その中でも、梅雨や夏に良く使う除湿運転(ドライ運転)について詳しく紹介します。
もしかすると、その除湿運転は冷房運転するよりも
電気代が高くなっているかも知れません!?
先月の電気代がやけに高く感じられた方など
気になる方は、ぜひこのページを読んで、確認してください。
◆ エアコンはどうやって除湿しているのか?
◆ 機種によって違うドライ運転
◆ 再熱除湿の仕組み
エアコンの除湿の種類
◆ エアコンはどうやって除湿しているのか?
まずは、『エアコンの除湿の仕組み』から理解していきましょう。
氷水を入れたコップを部屋に置いておくと、
そのまわりに水が付きますよね。これは、結露という現象なのですが、
この結露という現象を上手く活用したのが、
エアコンの除湿なのです。
抽象的すぎて分かりづらいと思いますので、
もっと詳しく説明しますね。
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エアコン室内器(部屋に付く本体のことです)の中には、
冷やされた冷媒ガス(※)が通る管(冷媒管)が、張り巡らされています。
※冷媒ガスは、環境問題で取り上げられるフロンが有名ですが、
現在は、代替フロンや新冷媒などのオゾン層を破壊するなどの影響の少ないものに
切り替えられています。
冷房の場合は、その冷媒管の中に冷たいガスを流すのですが、
これは、氷水を入れたコップと同じ原理で、
冷媒管のまわりに結露して水が出ます。
そして、そこで出た水は、ドレインパイプを通って外に捨てられます。
エアコンの室外機のまわりに出ている水は、
部屋の中にあった水なんですね。
そうすることで、家の中にある水の量が減り家の中の湿度が下がっていきます。
これがエアコンの除湿の仕組みです。
◆ 機種によって違うドライ運転
エアコンの除湿は、ドライ運転と表示されているものが
多いと思います。
このドライ運転には、大きく分けて2つの方法があるというのは
ご存知でしょうか?
ここで、冷房運転とドライ運転の違いを簡単に説明しましょう。
- 冷房運転
設定温度になるようにコントロールして運転をするモード
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- ドライ運転
設定湿度になるようにコントロールして運転をするモード
つまり、コントロールするのが温度なのか湿度なのかによって
変わってきます。
では、ドライ運転の話に戻りましょう。
このドライ運転ですが、大きく分けて2つの制御の方法があります。
湿度をコントロールして温度は成り行きのドライ運転
温度も湿度もコントロールするドライ運転
1、のイメージとしては、
それらは、冷房の弱運転を運転したり停止させたりを繰り返して行っています。
そのため、湿度が高く気温があまり高くない梅雨時期などは、
部屋が寒くなってしまうなどの問題があります。
また、高断熱の家は、冷やされた温度を維持する能力が高いため、
より顕著にこの問題が出てしまいます。
このドライ運転を使うと、部屋の温度が2~3℃下がってしまうというのを
知っておく必要があります。
次に2、ですが、これは、『再熱除湿』という比較的新しい機能で、
名前は同じでも温度も湿度もコントロールできる
とても優れたドライ運転です。
冷え性などの方にとっては、
室温が下がり過ぎずに湿度だけを下げてくれるので、
とても快適な空間にすることができます。
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◆ 再熱除湿の仕組み
エアコンをつけたすぐ後は、ドレインパイプからたくさんの水が出てくるのに
エアコンを動かし続けて部屋の中が設定温度に近づくにつれ、
ほとんどドレイン水が出なくなっていることに気づかれた方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
これは、エアコンを付けた時は、家の中がとても高い温度になっています。
そのため、部屋を冷やすために、とても冷た名冷媒ガスを本体に送り
強風で運転して室内から熱を取っていきます。
ただ、設定した温度付近になってくると、
エアコンが勝手に風を弱めて、冷媒ガスの温度も上げていって、
室内の温度が下がり過ぎるのを防いでくれます。
結露水は室内の空気と冷媒ガスとの温度差が大きいほど
たくさん出てきますので、室内の温度を微調整する段階に入ると
ほとんど結露水が出なくなり、除湿出来なくなってしまうのです。
除湿できないと、家の隙間から入ってきた湿気を多く含む外の空気の影響で
部屋の中の湿度は徐々に上がっていってしまいます。
これだとあまり快適とは言えないですよね。
そこで誕生したのが、再熱除湿機能です。
簡単にいうと、
再熱除湿のエアコンは、室内機の中で部屋の空気を一旦冷やして除湿し、
下がり過ぎた空気を温めて設定の温度にコントロールするといった
難しい運転をしています。
では、どうしてこんなことをしないといけないのかを
詳しく紹介します。
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多くの水蒸気を取り除くためには、冷媒管を冷たくしないといけませんが、
そうすると部屋に吹きだされる空気はとても冷たく、
設定温度以上に部屋の温度を下げてしまうことになります。
そこで研究者が考えたのは、
『冷えすぎるのだったらその空気をまた温めてあげればいい!』
といったことだったのです。
幸いエアコンの場合は、室外機の中で冷媒ガスを暖めることも冷たくすることもできるため、
室内機の配管を従来の1本から2本に増やし、
片方には除湿するための冷たい冷媒ガスを送り
もう片方には冷やし過ぎた空気を暖める暖かい冷媒ガスを送っているのです。
これにより、湿度をコントロールしつつ温度もコントロールできるように
なったのです。
エアコンの再熱除湿運転と冷房運転、どちらがお得?
みなさんからご質問を受けるのが、
『再熱除湿の電気代はどうなのか?』
ということです。
あなたも同じ疑問を持っているのではないでしょうか。
結果からいうと、
冷房運転に比べ、再熱除湿の運転はランニングコストがとても高くなります。
それも断熱の良い家に住んでいる方ほど、
冷房運転と再熱除湿運転のランニングコストの差が
大きくなるといった傾向もあります。
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その差はなんと
7倍
といったデータもあるほど。
断熱に配慮されていない家でも、その差は歴然です。
では、再熱除湿以外の方法はどうでしょう。
たとえば、エアコン以外で除湿しようと思うと、良く使われるのが除湿器ですが、
最新型の売れ筋の除湿器でも、1日使うと130円、1か月だと3,900円かかります。
これは、1日に10リットルの除湿をした場合です。
ただ、この1日に10リットルというのは、
隙間が多い昔の木造住宅だと10畳くらいの部屋に必要な除湿量ですし、
高気密の家や鉄筋コンクリートのマンションであっても
20畳くらいの部屋に必要な除湿量にしかなりません。
また、部屋の中に洗濯物を干したり、
炊事や入浴の時に換気扇を回していなかったり、
家族が多かったりすると、さらに必要な除湿量は増えていきます。
家を1軒除湿しようと思うと、数万円の電気代がかかる計算になってしまいます。
つまり、湿度をコントロールしようと思うと、
どんな方法であってもお金がかかるということなのです。
上手に再熱除湿を利用する方法
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梅雨時期など気温があまり高くなく、湿度が高い季節や、
冷房が苦手な方にとっては、やはりこの再熱除湿機能は便利なものです。
では、この再熱除湿を上手に使うためには、どのようなことを心がければいいのでしょう。
- 運転方法を確認しましょう。
再熱除湿は、ランニングコストが高くなります。
そのため、最近では、除湿運転を自動で切り替えてくれる機能もあるほどです。
再熱除湿が必要ない外の気温が高い場合などは、極力冷房運転や冷房の弱運転にするなど
こまめな運転方法の切り替えをしましょう。
- 家のすべての窓を締めて使いましょう。
1階でエアコンをかけているのに、2階の窓は開いているなど、たまに耳にします。
水蒸気は、熱と違ってドアを締めていてもそのまわりの隙間から出たり入ったりしています。
そして、湿度が低い方へ水蒸気は流れてくるのです。
そのため、再熱除湿の運転を行う際には、冷房以上に家の窓が開いていないかが
ランニングコストに大きく影響します。
必ず窓は締めて再熱除湿を使いましょう。
- 設定湿度は高めに
再熱除湿では、40~60%の間で調整が出来るタイプがあります。
そのような機種の場合は、出来る限り高い設定湿度で運転するようにしてください。
- 換気扇を上手に使いましょう。
入浴や炊事など水蒸気が大量に出る時には、換気扇を運転して部屋に拡がる前に
外に水蒸気を逃がすようにしましょう。
換気扇を動かすと暖かい空気が外から入ってきて効率的ではないと考える方もいますが、
入浴や炊事で出る水蒸気をエアコンで取り除く方がランニングコストがかかります。
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再熱除湿機能がついたエアコン
各社の再熱除湿機能がついている機種は以下のものです。
DAIKIN工業
- Rシリーズ
- Hシリーズ
- Pシリーズ
- DXシリーズ
- GRシリーズ
「うるるとささら」の『さらら機能』がついたもの
東芝
- SDRシリーズ(大清快)
- SDXシリーズ
- SXシリーズ
panasonic
- Xシリーズ
- HXシリーズ
- RXシリーズ
- Vシリーズ
の選べる除湿機能付き
日立製作所
- Xシリーズ
- Sシリーズ
- Eシリーズ
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FUJITSU
- nocria Zシリーズ
三菱電機
- ZWシリーズ
最終更新日:2011年7月4日
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エアコンの再熱除湿運転と冷房運転、どちらがお得?
最近、エアコンの上位機種についている機能の中に、再熱除湿といった部屋の温度を下げない
除湿運転があります。
ただ、この再熱除湿の電気代はどうなのか?
みなさん迷われるところだと思います。
ここでは、再熱除湿と冷房運転はどちらがお得かを詳しく紹介します。
再熱除湿運転は冷房運転で約7倍もの差が・・・
結果からいくと、冷房運転に比べ、再熱除湿の運転はランニングコストがとても高くなります。
特に高断熱の家に住んでいる方ほど、冷房運転と再熱除湿運転のランニングコストの差が
大きくなるといった傾向もありますが、なんと7倍も違うといったデータもあるほど。
断熱に配慮されていない家でも、その差は歴然です。
これはなぜか・・・
少し再熱除湿の方法を知ると理解できるかもしれません。
エアコンの除湿の仕組み
まずは、エアコンの除湿の仕組みをご紹介します。
氷水を入れたコップを部屋に置いておくと、そのまわりに水がつくのは分かると思います。
エアコン室内器の内部には、冷やされた冷媒が通る管を冷媒管といいますが、
その冷媒管が冷たいと氷水を入れたコップと同様に、冷媒管のまわりには水がつきます。
その水は、ドレインパイプを通って外に捨てられます。
そうすることで、家の中にある水の量が減り家の中の湿度が下がっていきます。
これが除湿の仕組みです。
ただ、お気づきの方もいると思いますが、
エアコンをつけたすぐ後は、ドレインパイプからたくさんの水が出てくるのに
エアコンを動かし続けて部屋の中が設定温度に近づくにつれ、
ほとんどドレイン水が出なくなってしまいます。
これは、エアコンの運転を始めたすぐ後では、
部屋を冷やすために室内器に送る冷媒はとても冷たくなっており、
冷媒管のまわりにはたくさんの水が出るのですが、
設定温度付近では、冷媒の温度をあまり下げなくても
温度を設定温度に調整することができるため、
冷媒管のまわりにつく水の量が減ってしまうからなのです。
冷媒の温度が室温とあまり変わらなければ、冷媒管のまわりにつく水が少なくなるのは
みなさん経験でお分かりでしょう。
氷水と水道水をいれたコップを並べて観察すると、氷水のコップの方が結露しやすい
ことと同じです。
そのため、冷房運転では、エアコンが頑張って運転している間は湿度も下がるのですが、
一旦部屋が冷えてしまうと、運転を緩やかにするため家の湿度は上がっていきます。
再熱除湿の仕組み
再熱除湿のエアコンは、室内の温度をあまり変化させずに、湿度をコントロールできると
先に紹介しました。
では、いったいどのようにして制御しているのでしょう。
簡単にいうと、再熱除湿のエアコンは、室内にある本体の中で空気を冷やして暖めるといった
難しい制御をしています。
もう少し詳しく説明すると、
多くの水蒸気を取り除くためには、室内の本体に送る冷媒を冷たくしないといけませんが、
そうすると部屋に吹きだされる空気はとても冷たく、部屋の温度を下げてしまいます。
そのため、冷え過ぎた空気を暖めるために、暖かい触媒を送るための管を室内機の中に通し
空気を暖めています。
空気を暖めるのは、暖房と同じですので、エアコンならではの機能と言えるでしょう。
そうして、部屋の温度を変化させず、湿度をコントロールできるのです。
複雑な制御をおこなっている分、室内に取り付けられるエアコンの本体が大きくなったり、
電気代がかかることになります。
また、冷房の場合、扉などを締めきっていれば、ある程度その部屋だけを涼しくすることができます。
ただ、除湿の場合はそうはいきません。
水蒸気は、扉を締めても扉の隙間などから行き来しますので、
除湿しても他の部屋から水蒸気がどんどん流れ込んできます。
部屋の温度は下がっているのに、湿気はなかなか取れないといった状況になりますので、
湿度をコントロールするためには、温度をコントロールするよりもお金がかかるのです。
再熱除湿とドライ運転はどう違うの?
再熱除湿機能がついていないエアコンにも除湿(ドライ)運転がついていますが、
それらは、冷房の弱運転を運転したり停止させたりを繰り返して行っています。
そのため、湿度が高く気温があまり高くない梅雨時期などは、
部屋が寒くなってしまうなどの問題があります。
また、高断熱の家は、冷やされた温度を維持する能力が高いため、
より顕著にこの問題が出てしまいます。
除湿(ドライ)運転を行うと、部屋の温度が2~3℃下がってしまうというのを
知っておく必要があります。
上手に再熱除湿を利用する方法
梅雨時期など気温があまり高くなく、湿度が高い季節や、
冷房が苦手な方にとっては、やはりこの再熱除湿機能は便利なものになります。
では、この再熱除湿を上手に使うためには、どのようなことを心がければいいのでしょう。
□運転方法を確認しましょう。
再熱除湿は、ランニングコストが高くなります。
そのため、最近では、除湿運転を自動で切り替えてくれる機能もあるほどです。
再熱除湿が必要ない外の気温が高い場合などは、極力冷房運転や冷房の弱運転にするなど
こまめな運転方法の変更をしましょう。
□家のすべての窓を締めて使いましょう。
1階でエアコンをかけているのに、2階の窓は開いているなど、たまに耳にします。
水蒸気は、熱と違ってドアを締めていてもそのまわりの隙間から出たり入ったりしています。
そして、湿度が低い方へ水蒸気は流れてくるのです。
そのため、再熱除湿の運転を行う際には、冷房以上に家の窓が開いていないかが
ランニングコストに大きく影響します。
必ず窓は締めて再熱除湿を使いましょう。
□設定湿度は高めに
再熱除湿では、40~60%の間で調整が出来るタイプがあります。
そのような機種の場合は、出来る限り高い設定湿度で運転するようにしてください。
□換気扇を上手に使いましょう。
入浴や炊事など水蒸気が大量に出る時には、換気扇を運転して部屋に拡がる前に
外に水蒸気を逃がすようにしましょう。
換気扇を動かすと暖かい空気が外から入ってきて効率的ではないと考える方もいますが、
入浴や炊事で出る水蒸気をエアコンで取り除く方がランニングコストがかかります。
再熱除湿機能がついたエアコン
各社の再熱除湿機能がついている機種は以下のものです。
DAIKIN工業
Rシリーズ
Hシリーズ
Pシリーズ
DXシリーズ
GRシリーズ
「うるるとささら」のさらら機能がついたもの
東芝
SDRシリーズ(大清快)
SDXシリーズ
SXシリーズ
panasonic
Xシリーズ
HXシリーズ
RXシリーズ
Vシリーズ
の選べる除湿機能付き
日立製作所
Xシリーズ
Sシリーズ
Eシリーズ
FUJITSU
nocria Zシリーズ
三菱電機
ZWシリーズ