Home < 家の仕様を選ぶための基礎知識 < 床材(フローリング)の種類と比較
内装のイメージを決めるのに重要なフローリング。
豊富な種類の中から何を選んだらいいのかよく分からないといった方も多いでしょう。
そこで、デザインやイメージだけでなく、もっと深く検討して床材を決めていけるように、
各床材(フローリング)の長所や短所、金額などをまとめました。
こだわりの家にさらに一工夫するため床材選び。
ぜひ楽しんでください。
床材(フローリング)の種類と特長
床材には、
一般的な複合フローリングやムクフローリング以外にも様々な種類があります。
ここでは、複合フローリングやムクフローリングについて詳しく紹介するとともに、
それ以外の床材についても簡単に紹介します。
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◆ 複合フローリング
◇ 複合フローリングの特長
複合フローリングとは、
みなさんがよく『フローリング』と呼んでいる床材のことです。
この複合フローリングが幅を利かせ始めたのは、実は昭和40年頃からなのです。
一時期は、カーペットや塩ビタイルなどが良く使われる時代もありましたが、
ダニの問題などもあり、昭和60年頃からは床材を台頭する材料になりました。
複合フローリングの進化は目覚ましく、
現在は、ムクフローリングの風合いに近付けた商品や、
耐衝撃性、耐摩耗性を上げた商品など
数年前よりも性能が飛躍的に苦情しているのも特長です。
この複合フローリングは、合板の上に
厚み約0.5~1mm(高級品では2~3mm)の本物の木の単板※を貼って作られます。
その上に、表面を傷や擦れなどから守るためにコーティング剤を塗るのですが、
このコーティング剤の性能が年々向上しており、
10年前に比べると耐久性や耐汚性などが飛躍的に向上しています。
床材に特にこだわらない方は、
「複合フローリング」を選べば間違いない
と言えるほど、性能のバランスが取れた床材でしょう。
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※単板
単板の種類には様々あり、ナラを中心に、カエデ、ブナ、カバなどが使われます。
では、この複合フローリングのいろいろをまとめましたので確認してみましょう。
◇ フローリングの長所・短所
☆ 長所
- デザインや色が豊富
- 変形(反りや膨張。収縮)しにくい
- 耐摩耗性や耐衝撃性、遮音性など部屋の用途によって選べる商品が多い
- メンテナンスが楽
- 抗菌や抗アレルゲンなどの商品も選べる
☆ 短所
- 表面の単板がはがれるような傷は補修が難しい
- 経年変化を楽しむことはできない
- 踏み心地が硬い
- 見た目の高級感は得にくい
◇ フローリングの色のいろいろ
複合フローリングは、表面の単板の種類や塗装によって
ホワイトからダーク色まで様々な種類があります。
☆ ホワイト系
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大理石調やタイル調のものから、木目調までいろいろとありますが、
清潔感や広さ、明るさを演出したい部屋で使われる場合が多いです。
フローリングの色は、建具や壁の色にも配慮する必要がありますが、
比較的どんな色とも相性が良いのではないでしょうか。
ただ、白だと髪の毛や糸くずなどが目立つため、
掃除を定期的に行わないとせっかくの清潔感が
台無しになることも・・・
☆ ミディアム系
ミディアム色は、木の本来の色身に近く、
落ち着いた雰囲気や柔らかな雰囲気を出すのに向いています。
ミディアム色には商品のバリエーションも多く、
多くの色の中から選択することが可能です。
また、汚れやゴミが落ちていてもあまり目立たないのも
この色の良いところかもしれません。
このミディアム色に合わせる建具ですが、
同系色の建具が一般的に選ばれているようです。
☆ ダーク系
ウォールナットのようなダークブラウンや黒曜石のようなブラックの床材も
最近では良く目にするようになってきました。
ダーク色は、ゴージャス感やどっしりと落ち着いた大人の雰囲気を出すのに
向いています。
壁や建具、設備などとのコントラストも楽しむことができるのですが、
家具などを持ち込む場合には、部屋の雰囲気に合うか
確認しておいた方がいいでしょう。
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ダーク色によく合わされている建具の色は、
ホワイトか同色系のダーク色です。
◆ ムクフローリング(単層フローリング)
◇ ムクフローリングとは
ムクフローリング(単層フローリング)とは、
ムク材や集成材を使ったフローリングとJASで規定されています。
このムクフローリングですが、
広葉樹を材料にしたものや針葉樹を材料にしたもの
細かく破断された木材を貼り合わせた集成材など
種類も豊富です。
板の間や縁側などに使われた針葉樹を材料にした床材は
『縁甲板』と呼ばれ、古くから使われています。
なお、ムクフローリングは、種類がとても豊富で
樹種によって特長が大きく変わるので、
こちらのページでご確認ください。
ムクフローリングの種類と特長(広葉樹) ムクフローリングに使われる樹種を多数紹介
◇ ムクフローリングの長所・短所
☆ 長所
- 多彩な樹種から選択可能
- 天然材の香りや雰囲気を楽しむことができる
- 踏み心地が柔らかなものが多く、足への負担が小さい
- 冷たさを感じにくい
- 傷がついても削ることで補修が可能
- 経年変化を楽しむことができる
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☆ 短所
- 複合フローリングよりも高価なものが多い
- 手入れが必要
- 水などに弱い樹種が多い
- 傷が付きやすい
- 狂いが出やすい樹種も多い
- 樹液などが出るものもある
- 色のばらつきが大きい
◆ コルクタイル
コルクタイルは、コルク樫の樹皮を粉砕し、
接着剤を添加して圧縮、加熱し、出来上がったブロック状のものを裁断して
製品化されたものです。
主成分がセルロースではなく、スベリンのため、
シロアリに対しても強いという特長があります。
また、吸放湿性が高く、水まわりの床などでも利用されています。
加熱の温度や時間を変えることで、表面の色を変化させることができるため、
希望の色を見つけることができるでしょう。
また、仕上げの方法も、
ワックスだけで仕上げたコルクの風合いを感じられるものや
強化ウレタンなどの薄い樹脂の膜を作ることで表面への傷や汚れが付きにくく
したものなど、部屋の用途やご家族の求める性能で選択するといいでしょう。
◇ コルクタイルの長所と短所
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☆ 長所
- 断熱性があり、冷たさを感じにくい
- 踏み心地が柔らかく、足に優しい
- 弾力性が高く、傷が付きにくい
- 吸音や遮音性に優れる
- シロアリの被害に遭いにくい
- 耐水性があり、水まわりの床にも使える
☆ 短所
- 経年変化が大きく、脱色しやすい
- 補修が難しく、張り替えでの対応になってしまう
- 一般的な複合フローリングより高価
- しみ込んだ汚れは取りづらい
- 製造段階で接着剤を使うので、化学物質に敏感な方は注意が必要
- 角部分から剥離しやすい
◆ クッションフロア
◇ クッションフロアの特長
クッションフロアとは、
模様を印刷したシートを透明のシートで挟み込むようにして成形された
塩化ビニルの床材です。
(CFシートなどとも呼ばれます)
プリントされる柄はとても多く、
複合フローリングのような雰囲気をもったものや
テラコッタのようなタイルの雰囲気を持ったもの
大理石のような雰囲気をもったものなど様々です。
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耐水性に優れる材料なので、トイレや脱衣室、家事室などの
水回りで使われるのが一般的でしょう。
また、複合フローリングよりも安価でものを落下させても音が下に響きにくいため、
集合住宅住宅などでは洋室などの仕上げ材として多く使用されています。
◇ クッションフロアの長所と短所
◇ 長所
- 一般的に複合フローリングよりも安価
- 柄が豊富
- 防水性が高いため、用途が広い
- 防水性が高いため、掃除がしやすい
- 製造時に抗菌、抗アレルゲンなどの処理も可能
- 軽量音の遮音性が高い
- 加工しやすい
◇ 短所
- ビニールなので、見た目の安っぽさは隠せない
- 可塑剤を含むため、化学物質に敏感な方は注意が必要
- 独特のにおい
- 汚れが付きやすい(静電気などによってホコリを付着)
- 熱に弱い
- 縮みなどによって、シートの貼り合わせ部に隙ができやすい
- 凹凸のあるタイプは凹部に汚れが溜まりやすく掃除が大変
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◆ タイル・天然石
◇ タイル・天然石の特長
玄関ポーチなどでは使われることの多いタイルや天然石ですが、
家の中でも部分的に使う場合があります。
また、ユニットバスが普及する前は、
見た目の良さや耐水性、耐汚性の高さから
浴室やトイレ、キッチンなどにタイルが多く使われ
古くから日本の家と関わりの深い内装材のひとつです。
◇ タイル・天然石の長所と短所
☆ 長所
- 傷が付きにくく耐久性に優れ、張り替えなしで長期使用が可能
- 耐汚性、耐水性が高くメンテナンスが楽
- 風合いがよく、部屋のアクセントになる
- デザインが豊富
- 化学物質を出さない
☆ 短所
- 直接触れると冷たい
- 重たいものを落とすと割れる可能性がある
- 高価
- 目地の汚れのメンテナンスが大変
- 硬く、長時間立っていると疲れが出やすい
- 吸音性が低く音が響きやすくなる
- 水や油で滑りやすくなる
- 転倒すると危険
- 重たいため、床に補強が必要になることも・・・
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◆ 畳
◇ 畳の特長
畳は、日本家屋を代表する床材のひとつですが、
和室を計画する家の現象によって、徐々に少なくなっています。
ただ、畳の肌触りや温かみ、香りや吸湿性の高さから
畳を好む方も多いのではないでしょうか。
そんな畳ですが、現在一般的に使われる畳は、
畳床に稲わらを用いず、
発泡樹脂系断熱材やインシュレーションボードと呼ばれる
木片を接着剤で押し固めたタタミボードが代用されたものになっています。
発泡樹脂系断熱材を使った畳は、湿気を通しにくく、
ダニの発生などを抑制できるなどから、
現在では、8割以上のシェアを得るまでに至っています。
また、近年では『琉球タタミ』といった、
畳縁のない正方形に近い畳も人気があります。
◇ 畳の長所・短所
☆ 長所
- 肌触りが良い
- 香りが良い
- 見た目の色の良さ
- 断熱性がある
- 弾力性が高く、長時間の着座や歩行でも疲れにくい
- 吸音性があり、遮音性に優れる
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☆ 短所
- 色あせするため、定期的な畳表の交換などが必要
- 擦れなどに弱い
- 表面の着色染料で有害なものが使われている可能性がある
- ダニやホコリがタタミ内部に入り込む可能性がある
- 高価
床材の比較
いろいろある床材を様々な角度から一覧にして比較してみましょう。
複合 フローリング |
ムク フローリング |
コルクタイル | クッション フロア |
タイル・ 天然石 |
||
機 能 面 |
耐水性 | 〇 | △ | 〇 | ◎ | ◎ |
耐汚性 | 〇 | △ | 〇 | 〇 | 〇 | |
耐衝撃性 | 〇 | △ | ◎ | 〇 | 〇 | |
遮音性 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | △ | |
耐久性 | 〇 | ◎ | 〇 | △ | ◎ | |
メンテナンスフリー | 〇 | △ | 〇 | 〇 | 〇 | |
意匠 ・ 感触 |
デザインの豊富さ | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 |
温かさ | △ | ◎ | 〇 | △ | △ | |
風合い | △ | ◎ | 〇 | △ | ◎ | |
経年変化 | 〇 | 〇 | △ | △ | ◎ | |
その他 | 価格 | 〇 | △ | 〇 | ◎ | △ |
化学物質対策 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | ◎ |
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一覧にしてみると、複合フローリングやコルクタイルの
性能のバランスの良さが目立ちます。
選択の基準として、
機能性を重視するのであれば、複合フローリング
水回りは、コルクタイルかクッションフロア
風合いやデザイン・意匠にこだわるならムクフローリングやタイル
冷たさ軽減をしたいなら、ムクフローリングかコルクタイル
といった感じになるのでしょうか。
最近、床暖房を付けられる方が増えてきましたが、
ここで挙げた床材すべてで、床暖房対応品が出ています。
床材(フローリング)の価格
床材の価格ですが、以下のようになっています。
ここでは、材料のみの価格を紹介しています。
フローリングは、選ぶ商品によって大きく金額が変わるので、
大よその目安にして下さい。
◆ 複合フローリングの価格
複合フローリングの目安の価格帯
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3,000 ~ 12,000円 / 1m2
複合フローリングでは、単板の種類や厚み、仕上げコートの方法などによって
価格が変わってきます。
当然、単板を厚くしてムクの風合いを出したものや、
傷が付きにくいようなコーティングをしたもの、
メンテナンスフリーのフローリングの方が高くなる傾向にあります。
また、最近はやりの溝の幅が広いタイプの方が
定価が高く設定されているようです。
ちなみに、
大手メーカーから出されるものや相場として、
6,500 ~ 10,000円 / m2
程度のものが多くなっています。
◆ ムクフローリング(単層フローリング)の価格
ムクフローリングの目安の価格帯
4,000 ~ ∞
ムクフローリングの場合は、樹種や、木目、節の有無によって大きく変わります。
たとえば、杉やヒノキなどでは、
節あり、小節、上小節、無節の順で価格が上がっていきます。
また、柾目の材料は木目が美しく、落ち着いた雰囲気にすることができますので
人気が高いのですが、価格も上がります。
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節が気にならないような比較的狭い空間や、
ファミリースペースなどの意匠よりも感触などを優先させる場合には、
節ありはコストパフォーマンスの高い材料を
逆に、リビングや玄関ホールなどの意匠を重視される場合は、
柾目や上小節などと使い分けをすると良いかもしれません。
ムクフローリングの種類と特長(広葉樹) ムクフローリングに使われる樹種を多数紹介
◆ コルクタイルの価格
コルクタイルの目安の価格帯
3,000 ~ 15,000 円 / 1m2
コルクタイルは、表面の仕上げ方法の違いや厚みで金額が変わってきます。
一般的な厚みは、5mm程度のものが普及しています。
また、表面仕上げの方法として、オイルやワックス、アクリル系樹脂などが
あります。
コルクの素材感を感じるためには、オイルやワックスで、
耐水性や耐汚性、耐衝撃性を求めるのであれば、アクリル系樹脂などで
仕上げられたコルクタイルを選ぶといいでしょう。
なお、コルクタイルだけでなく、複合フローリングのように、合板などの基板の上に
コルクを貼ったものなどもあります。
現場で接着剤を使用して施工するよりもはがれにくくなっていますので、
耐久性や化学物質の揮発が気になる方は、
こういった商品を選んでもいいのではないでしょうか。
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◆ クッションフロアの価格
クッションフロアの目安の価格帯
1,500 ~ 5,000 円 / 1m2
クッションフロアは、柄による価格の違いはほとんどなく、
選択するメーカーや厚み、表面の仕上げ方法によって
変わってきます。
また、一戸建ての場合は、クッションフロアを大きな面積で使うことは少なく、
トイレや脱衣室などで使われます。
その場合、端材の分も考慮しなくてはなりませんので、
インターネットなどで掲載される単価と床の面積で計算するよりも
少し割増しの費用がかかってくることを知っておきましょう。
なお、新築工事での材料、工事費を含めた単価は、
2,000 ~ 3,500 円 /m2
程が一般的です。
◆ タイル・天然石の価格
タイルの目安の価格帯
2,000 ~ 25,000 円 / m2
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タイルは、1枚のタイルの大きさや、
種類によって大きく異なります。
また、タイルは、施工費が他の床材と比較して高くなりますので、
トータルコストを確認するようにしましょう。
天然石の目安の価格帯
3,000 ~ 30,000 円 / m2
使う石材の種類や、1枚の大きさによって価格が大きく変わります。
また、タイル同様、施工費が他の床材と比較して高くなりますので、
トータルコストを確認するようにしましょう。
なお、タイルや天然石を使う場合には、カタログやサンプルと色見が
異なる場合があります。
その違いを実際に施工された家などで確認されるといいでしょう。
◆ タタミの価格
畳の目安の価格帯
1,000 ~ 100,000円 / 1畳
畳は、とても価格帯が広いことが分かると思いますが、
これは、天然の藁やい草を使ったものや、
現代畳と呼ばれるような発泡系断熱材を畳床に使ったもので
価格が大きく異なるからです。
また、天然の畳の中でも、特級品、上級品、普及品などといった
ランクが分かれており、
稲わらの積層数が違ったり、い草の色や質や太さ、長さによって
価格が大きく変わってきます。
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ちなみに、一般的に選ばれる現代畳は、
7,000~10,000円 / 1畳
琉球畳は、
10,000円 / 1畳
程度となっています。
床材のメンテナンス
今後記事を追加します。
床材のリフォーム
今後記事を追加します。
最終更新日 : 2011年12月3日